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山田 逸平; 神谷 潤一郎
no journal, ,
大強度陽子加速器を安定に運転するためには、ビームとモニタの直接的な接触が無い非破壊型モニタを用いたビームの常時監視が重要である。我々はシート状に形成したガスとビームの相互作用で生じる光子を利用して、非破壊でビームの二次元プロファイルを測定するモニタを開発している。ガスシートは自由分子流領域における希薄気体力学に基づいて形成する。つまり、粒子間衝突を無視して、流路壁面での反射過程のみを考慮した計算によりガスシート生成機を設計している。しかし、実際に開発したガスシート生成機に対する性能評価試験により、一般的な見積計算(クヌーセンのコンダクタンス計算式)により予想される無衝突近似可能な上限圧力より1-2桁低い圧力で衝突の効果が現れる結果が得られた。高性能なビームプロファイルモニタを開発するためには、薄く高密度なガスシートを形成する必要があるが、衝突の効果が現れるとガスシートは厚く低密度なものとなる。そこで我々は、分子間衝突がガスシート形成にどのように影響を与えるかについて検証するために、粒子間衝突を考慮したモンテカルロ直接計算(DSMC)コードを開発した。そのコードを用いた計算の結果、一般的な見積もり計算には含まれない効果として、流路長と流路厚み(直径)の比が大きいほどより低い圧力で衝突の効果が現れることを明らかにした。